失敗しない月次分析のヒント(2)

さて、迷子になってはいけませんので分析のフローを図にしてみました。


ギャップの大きさ、未上場の場合は売上高や経常利益額が中心、上場企業では国際的な観点からではEBITやEBITDA、あるいはROAやROE、ROICなどの資本利益率なども意識されます。
ちなみにEBITはEarnings Before Interest and Taxes、つまり税・利払前利益で日本の営業利益に近い概念、税前は各国の税制の違いを排除、利払前は、事業そのものの稼ぐ力を測るという意図があります。
EBITDAはEarnings Before Interest,Taxes,Depreciation and Amortization、税・利払・償却前利益、EBITから国により差のある償却費を排除し国を超えてキャッシュベースでの比較評価を可能にします
いずれにしてもこれらの目標指標における実際もしくは予想とのギャップ=問題の大きさを認識することからスタートします。問題の大きさはとるべき対策の方針を決めるからです。

 

ギャップが大きければ戦略自体を見直す必要があるかもしれません。
ターゲット市場見直し、どこに集中?どこを捨てる?提供バリューの再編成・戦略実現のための業務再構築等が課題になるでしょう。
このような流れで管理会計は経営戦略とつながります。ですから管理会計を本当の意味で理解し運用しようとすれば、当たり前のことですが、経営戦略やマーケティングを理解することが不可欠です。
ギャップはどこから生まれているのか?売上高?原価?どの分野の売上高?原価のどの要素?その程度の大雑把な分析は決算書や月次試算表でできます。

しかし、決算書でできるのはそのあたりまでです。


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