歴史からひもとく会計の役割(TKC)(1)2021.9.15読売掲載 のご紹介・解説  2021.9.18

会計における実務に詳しく、業界の主たるグループと考えられる、「TKC全国会」が「歴史からひもとく会計の役割」と題した広告記事を9月15日に開始なさいました。
この記事における主たる語り手は歴史学者として超有名な磯田道史先生です。
私など、偉そうにこの記事を分析評価するような能力も立場も十分保有しておりませんが、これをご覧になった皆さんがそれぞれ、これらの文章をしっかりとお読みになりご自身の理解、ご自身にとって役立つ考え方を明らかになさることが最も重要です。

→ 文章掲載中のTKCのホームページ(いつまで存在するかはわかりかねます) https://note.tkc.jp/

なお、私自身TKCさんとは一切何の関係もありません。
むしろ、否定的な立場を示すこともときたまあるほどとも言えます。

さてさて、

第1回
「こんな会計をしていると、会社も国もダメになる。」 歴史が教える教訓とは。
磯田道史教授、歴史学者
坂本幸司税理士、TKC全国会、会長
2021年9月15日 読売新聞朝刊

会計の意義・役割を歴史から学ぶ、というのが趣旨です。
なかなか簡単ではないと、私自身すぐに感じました。
そもそも特に武家政治は会計に対して否定的な姿勢をとると言います。
更に歴史ですので実務を行っている人や組織にコンタクトして調査することは当然できません。
私のようなコンサルタントには最初にそう感じてしまい、歴史学者先生方の想像を絶する研究の難しさ、研究姿勢における誠意の高さを冗談ではなく感じます。

磯田先生は会計の三悪として次のようにご説明になっておられます。
①会計を怠り、そもそも帳簿自体をつけない
 このような組織へに関与機会はゼロ(ここにおいでの方はおそらく皆さんそうだと)ですので割愛します。

②帳簿をつけてもそれを無視する
 「帳簿を見ようともしないし、活かそうともしない状態」と言っておられます。
 「100%こうだ」と指摘できる相手(企業、経理担当等)は存在しないと、私は思います。
 そんなレベルの低い話に興味はないよ、と言われる方もいらっしゃるでしょうし、私自身もそう感じる気持ちも強いです。
 ただ、本当の意味で帳簿情報を経営に活かすという目的を精緻に考えると、ここの問題は実際非常に大きいと感じざるを得ない、そう思うのですが、いかがでしょうか?

 私自身、少々具体的に申し上げますと、以下の点が重要ではないかと思う次第です。
 ・定形帳簿上のデータ分析から課題のありそうな仮説箇所を明確にする
 ・その箇所についての決算書を超える調査方法を作り上げる
 ・それに関係しそうな現場関係の方と対話し、調査・解決に関してご協力を求める
 ・現場の作業についても積極的に協力する、経験するということまで取り入れる
などなどでしょうか。

③会計帳簿に不自然な操作を加えて正確な会計を見せない
 なるほどなぁ、それはないとは言えません。というより全く無いことは無い気もします。
 その会社の業績に大きな変化(特にマイナス)にそれは起こりやすいでしょう。
 小さなそういった操作まで関与できません。大きそうなそういった操作を感じ取り、そういう気持ちでヒヤリング、帳簿の分析などに取り組むことは年1、あるいは何年かに1度程度あるように思います。

 さてさて、この回の最後に、「自分を知ることは本当に大切です。孫子だって『敵を知り己を知れば百戦危うからず』と言っている」とあります。

 これはその通りだと心の底から思います。私も含めて、自らのことを見逃す、これは常に心の底から持っておかないと必ず誤った意思決定につながる、間違いありません。


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